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グランドピアノのオーバーホール

作業日程、作業工程に沿って説明します。
今回の対象はG3A、1987年製造。

●1日目  弦・チューニングピン交換 Vol.1
●2日目  弦・チューニングピン交換 Vol.2
●3日目  弦・チューニングピン交換 Vol.3
●4日目  フェルト及びクロスの交換 Vol.1
●5日目  フェルト及びクロスの交換 Vol.2
●6日目  ハンマー交換

1日目 弦・チューニングピン交換 Vol.1


弦外し/チューニングピン外し/ピンブッシュ外し/響板清掃
ベアリング研磨/ピンブロック打ち込み/チューニングピン打ち込み


製造番号確認
製造番号確認
品番と製造番号を確認する。
 

作業前の状態
作業前の状態1 作業前の状態2
屋根を外します。             だいぶ埃が積もっています。

チューニングピンとピンブッシュを外す
ribon_base_lribon_base_r
弦を外す前にリボンがどのように付いているか記録しておく。
 
ribon_middle_lribon_middle_r
 
string_off
弦を外す時は全体的に満遍なく緩めてゆく。局所的に緩めるとフレームが割れてしまう場合もある。
 
pinbushoff
ピンブッシュを外す時は注意をしないとフレームを傷つけます。
 

響板清掃
repair_before01  soundboardbafter
清掃前。                   清掃後。気持ち良い位綺麗になります。

ベアリング研磨
bearing_stain bearing_after
分かり辛いですが弦跡が付いてます。   弦跡がなくなりました。

ピンブッシュ打ち込み
pin_bushpin_bush_after
ピンブッシュをポンチで打ち込む。
高さが微妙に違うのでセクション毎に確認する。
 
pin_bush01pin_bush02
ドリルで穴開け。今回は6.9mmを使用。
チューニングピンは角度がついているので、留意しながら穴を開ける。またピン板まで貫通しないように注意する。
 

チューニングピン打ち込み
tuningpin
今回のチューニングピンの径は7.1mmを使用。 ベースセクションは予め、ある程度の深さまで打ち込んでしまう。
チューニングピンを打ち込むときは棚板とピン板の間にジャッキをあてがう。
 



2日目 弦・チューニングピン交換 Vol.2


張弦


string
弦を規定の長さで切り半分に折る。弦の端をピンの穴に入れてT字ハンマーを使って1回転半まわして巻口を作ってからピンを差し込む。
ある程度ピンを打ち込んだ後、巻口の角度が均等になるように調整してから、さらにねじ切りが2mm程度みえるくらい打ち込む。打ち込み過ぎないように。巻口のコイルが密着するように引き上げる。
 



3日目 弦・チューニングピン交換 Vol.3


張弦続き


bass string_after
芯線を張り終えたら巻き線を張る。         張弦完了。


4日目 フェルト及びクロスの交換Vol.1


ダンパーフェルト交換/鍵盤ブッシングクロス交換


ダンパーフェルト交換
damper02
フェルトを除去する前に各セクションでのフェルトの長さを記録しておく。
フェルトをむしれるだけむしる。残ったフェルトをヤスリやカッター等で除去する。
 
damper03
ダンパーライニングフェルトの貼り付け。
今回は10本をひと纏まりにして接着剤を着けて貼り付ける。
接着剤が固まったのを確認してカッターで切り離す。押し切る感じで。
良く切れる刃を使わないと大変です。
 
damper_tool
平ダンパーをカットする。
治具(自作)をしっかり押し当てて一気に押し切る。
ここでも良く切れる刃を使うこと。
 
damper01
ダンパーフェルトを接着する。
 

鍵盤ブッシングクロス交換
frontbushingcloth01 balance
バランス・フロント共に蒸気を当ててからこそげ取る。
frontbushingcloth02
今回はホットメルトを使用。規定の長さに切断して、熱したコテをあてて接着する。
コテは熱くなり過ぎないように濡れ雑巾を使って温度を調節しながら使う。
 



5日目 フェルト及びクロスの交換Vol.2


バックチェック交換/ダンパーレバークッションフェルト交換
サポートヒールクロス交換/レギュレチングボタンパンチング交換
ハンマーストップフェルト交換/鍵盤蓋バネ受けスキン張替え


バックチェック交換
backcheck01
バックチェックはヘッドで交換。
 
backcheck02
外すとき、付ける時はワイヤーが意外にもろいので、ねじ切らないように注意する。
中央から右が新、左が旧。
 

ダンパーレバークッションフェルト交換
dl_cushion_felt

サポートヒールクロス交換
wippen_heal_cloth suportheel
サポートヒールクロス1台分は長さがギリギリなので、1個1個をシビアに切っておかないと足りなくなります。

レギュレチングボタンパンチング交換
rb_punch_before
交換前。各セクションをハンマーレールから取り外す。
 
rb_punch_off
古いパンチングを除去。
 
rb_punch_after
交換後。
 

シャンクストップフェルト交換
hs_stopfelt
既存のフェルトはむしりとった後、やすりやカッターで取り除く。
 

鍵盤蓋バネ受けスキン交換
keyrezar1 keyrezar2
交換前。                     交換後。


6日目 ハンマー交換


ハンマー交換/整音/ファイリング


hammer_base
交換前の低音の弦の跡。
弦跡が長くなると高次倍音が強くなり耳障りな音になる。
また弦も切れやすくなります。
 
hammer_midle
交換前の中音の弦の跡。
 
hammer_new
交換直後、耳(端)が立っているのが分かると思います。
 
hammmer_after
針刺し、ファイリング完了後。
 


この後調律と整調をして完成です。
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