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2018-08-08 update

ピアニスト倉澤 杏菜さんインタビュー vol.2

昨年のスガナミ楽器140周年記念 スガナミ・オーケストラ・フェスタに出演されたピアニスト倉澤 杏菜さんにお話しを伺いました。インタビュー記事の第二回です。
※前回の記事はこちら

ドイツでの音楽生活について

▼ベルリンにお住まいということで、雑誌「ショパン」でも連載されていますけれども・・・音楽面、生活面での苦労話などありますか?
音楽面に関しては悪いところはないと言い切れるくらい。ドイツは12年目になるんですけれど、学校を卒業したのが2014年なのでプロとしてやっているのはまだまだ新米で3~4年くらいなのですが、ピアニストとして、すごく居心地の良さもあります。お客さん(観客)がどんな曲を弾いてもまっさらに、スポンジのように吸収して聞いてくださる姿勢があるので、限定することなく色んな曲に挑戦して、率直な意見をいただけることがあるっていうのもすごくやりがいが有ります。

▼聴衆のレベルが高い?
高いとか低いとかっていうと、日本でもやっぱり演奏会でみなさんすごくしっかり聴いてくださるので、レベルって言うわけではないのかもしれません。ヨーロッパのみなさんは自分の感じる気持ちを信じて聴いてくださるので「よくわからなかった」っていうよりも「自分はこう感じた」その曲の背景がどうであれ「こういう風に感じた」っていう思い思いの意見で、感じ方で楽しんでくださる。それはすごくありがたいなあと思います。
やっぱりクラッシックがお好きな方ほんとに多いですね。

▼苦労した事はどうですか
音楽面に関してはないです。オーガニゼイションに関しては・・・なきにしもあらず(笑)
毎年演奏活動するなかで、「えー」みたいな事が起きることもあります。たとえば、去年ラフマニノフの3番のピアノコンチェルトをベルリンのフィルハーモニーで弾いたんですけれども、予定されていたリハーサルがなくなってしまって、代わりのリハが入ることもなく、1回のリハとゲネプロで挑まなきゃいけなかったことがありました。そのときはものすごく絶望的な気持ちになりましたが、リハがすっぽり抜けるのは痛いけれども、強くなるチャンスだし、お客さんはそういうこと知らないから自分でやってきたことを信じてやるしかないし、という事もありました。
他には、オープンエアっていう野外コンサートで弾いた時、ドレスデンの旧市街の川の隣で野外ステージがあって、その年は川が氾濫した年で、虫が異常発生していて、夜じゃないですか、スポットライト浴びて・・・へばりつく虫の数ですよ!もう何万って!鍵盤がもう真っ黒!想像できないでしょう?でも演奏となれば私最後まで出来るんだって思いました。たまたま最後に弾いた曲がサン=サーンス(ホロビッツ)の死の舞踏だったので、トークで「鍵盤の上も死の舞踏みたいな感じになりました」って(笑)
そういう日本ではあまり考えられないようなことはありますね。今となっては苦労話ではなく、ほんとに経験になって自分を強くしてもらっているので無駄じゃなかったなって思いますけど。

▼ヨーロッパでは野外コンサートも盛んですね
オープンで、自由にきて座ってというコンサートはすごく多いですね。ほんとに熱心で、どこからともなく、必ず満席になります。皆さん地べたに座って、寝そべって、思い思いに楽しんでいらっしゃる、すごくナチュラルに。
(ベルリン)フィルハーモニーホールのランチコンサートではホールロビーの吹き抜けにステージを作って、45分くらいの無料のコンサートをするんです。消防の関係で1000人か1200人くらいですが、30分前には満席になってしまって、地べたや階段、2階のステージが見えてないようなところで寝転がったりして、そういう感じで楽しまれていて、リラックスするっていうか日常の中で楽しんでいるっていうのはすごくいいなって思います。

 

▼野外コンサートの話しがでましたけれども、素晴らしいホールもたくさんありますよね。
肩を持つわけじゃないですけど、やっぱりベルリンフィルハーモニーホールは特別です。別格です。
何が別格って、まず響きがすごい。残響というより・・すごくクリアなんだけども、濁りがない、自分が弾いていてもすごく心地いい音響っていうんですかね。お客さんが満杯になったときとそうでない時とそう変わらないし、結構大きなホールなんですけど、ステージに出たときの孤独感がないんですよね。聴衆が近いし、空気の重さって言うの・・・入った瞬間の質感ですかね、ちょっと違いますね。だから、いつもすごくいい状態に持っていけるホールです。

 

▼演奏者の味方になってくれるホール?
だと思います。「ベルリンフィルハーモニーホールだ!」って緊張して舞台に立つ、っていうよりも、「あ、見守られてるな」ってすごくあったかい雰囲気だし、バックステージもそこで働いている方々もすごく気さくで、これからステージを控えているドレスの人がいたかと思えば、舞台装置の工事のおじちゃんがいたりとか、「ワッハッハ」ってビールを飲んでいる人の隣で、5分後に演奏を控えている人がいいて、でもそこでお互いに気を使いあうことはなく、日常がただ流れているっていうか。
私はすごく特別。

2018年の日本での倉澤杏菜さん出演コンサート

相模原市民交響楽団 市民プロムナードコンサート
日時:9/16(日)開場13:15/開演14:00
会場:相模女子大学グリーンホール 大ホール
曲目:ラフマニノフ ピアノ協奏曲2番 他