2025-05-10 update
講師インタビュー第1弾(YMSピアノ 山本泰照講師)
今回はYMS鍵盤講師の山本泰照講師にインタビューをしました。
音楽の道へのきっかけやエピソード、小さい頃ほんの少しだけピアノをやっていたけれど、もう一度習ってみたい、でもブランクがありすぎて大丈夫かしら?と思っている方へのメッセージなどを頂くことができました♪
また、ニックネームに隠された秘密も明らかに?!
「音楽への道」
インタビューア(以下I):
本日は先生に色々とお話を伺いたく、よろしくお願いいたします。
山本講師:
よろしくお願いいたします。
I:
早速なのですが、先生が、いわば「音楽への道」というものに進まれた経緯などをお聞かせいただきたいのですが。
山本講師:
もうそれは両親の影響ですね。私の父はクラシックレコードの収集家で家にたくさんのレコードがあったんですよ。ステレオも大きいのが当時あって、あの家具調みたいな。
I:
昔よくありましたよね。木目で家具調の大きなステレオ!
山本講師:
そうそう、記憶にはないんだけれど、その鳴っているステレオの前に座らせてると大人しくしてる子どもだったようで(笑)。
母の方はオルガニストで、家に足踏み式のオルガンがあって。姉弟はみんな母に手ほどき受けたんですが、僕だけその後、ピアノの先生に付いて。
I:
そうなんですね。他のご姉弟は…
山本講師:
姉弟、今でも全員何かしら楽器をやっていますね。
上の姉はリコーダーが得意、2番目の姉は二胡で慰問に行ったり、弟はバンド系の楽器全般で趣味だけど一人で音楽を作っているみたい。
I:
音楽ファミリーですね!なんだか楽しそうです。
山本講師:
一度みんなでね、演奏して母に聴かせたことがあったんですよ。
I:
ちなみにどんな曲を演奏されたんですか?
山本講師:
確か「コンドルは飛んでいく」だったかなぁ。
これなら演奏できるっ!て。もう20年前くらいかなぁ…。
I:
やはり小さいころから音楽に慣れ親しんでいたんですね。
山本講師:
そうですね。後に音楽の学校に行くため、地元の山口から東京へ出たんですが、当時はアイドル・歌謡曲の作曲家というと、筒美京平さんとかの職業作曲家さんで、それにすごく憧れていたんです。
で、同じピアノの先生に習っていて進学した池田大介さんに日芸(日本大学芸術学部)に来ないかって誘われまして。
I:
池田大介さんってあの池田大介さんですか?!
山本講師:
そうです。Beingの池田さん。もうそれこそBeingの全盛期に一緒にお仕事をさせて頂きまして。僕はマニピュレーターをしていました。
I:
私も90年代が青春時代をBeingの音楽とともに過ごしましたが、あの時期は特に忙しかったんじゃないですか。
山本講師:
4つのスタジオが同時に動いていて、もう、なんというか、音楽工場でしたね。
こっちのスタジオからあっちのスタジオに~みたいにいろんな人が移動していて。
B’zの松本さんがガーッとギターを弾いていたり。みんなスタジオミュージシャンで。
とにかく物を創ることが楽しかったですね。
I:
松本さんもやはりいらっしゃったんですね。
なんだかBeingとか松本さんとか、すごく興味があるお話ですね。
山本講師:
その後に音楽事務所に所属しまして、オーダー曲を作る仕事をしていたんですが、そこが解散した後にスタジオに就職したんです。
I:
やはり音楽制作に関わるお仕事でしょうか。
山本講師:
そうですね。初期のMIDIカラオケ音源作りだとかCM曲、声優さんの歌う曲とかですね。
作って打ち込んで録音して完パケでお渡しする、っていう。
I:
作曲というのは結構大変な作業だと思うんですが、例えばオーダーの量が増えると作業量も増えるわけで…
山本講師:
そうなんですよ。いわゆる昼夜逆転生活ですね。
I:
やはり夜は作曲その他の活動が捗るのでしょうか。
山本講師:
捗りますね、やっぱり。音楽制作自体はすごく楽しかったし良いんですけれど…
そこのスタジオが音楽事業から撤退する事になって。
I:
えっ!なんだかすごい波乱がありますね。
その後はどうされたのでしょうか。
山本講師:
フリーランスで業務を引き継いだものの、さっき言った昼夜逆転生活で体を壊して、改めないと!と思ってヤマハ講師の試験を受けたんです。
きちんと昼間働いて、ちゃんと夜に寝る生活の礎として(笑)。
I:
なるほど、音楽に関わりながら昼夜逆転しづらい職業…
山本講師:
(笑)そうそう。で、実は僕、ヤマハミュージックスクール(当時はポピュラーミュージックスクール)の第2期の講師だったんですよ。
I:
えっ本当ですか?そうすると先ほどの試験は…
山本講師:
そう、2回目(笑)。実は当時、他の仕事が忙しくて一度辞めてしまっているんですよ。
I:
そうだったんですね。やはり試験ってもう一度受けないといけないんですよね…
山本講師:
もう一度、試験受けましたね。再会した同僚講師から「ここで何やってんの?」なんて言われたりして(笑)。それが今、講師になるまでの経緯ですね。
「とある生徒様の“夢”」
I:
なかなか色々なエピソードを聞くことができまして興味深いですね。
エピソードといえば、講師になってから、いわばレッスンでのエピソード何かもお伺いしたいのですが。
山本講師:
エピソード…そうだ、以前に生徒さんで、とある夢を持った方がいらっしゃったことがありまして。
I:
夢…ですか。どのような夢をお持ちだったんでしょうか。
山本講師:
白いグランドピアノを買って、その上に赤ワインのグラスを置いて弾く、という夢をお持ちの方でして。
I:
なんともまあ、おしゃれな夢をお持ちでいらっしゃったんですね。
山本講師:
でね、その生徒さん、必ずレッスン前に「呑んで」からいらっしゃるの(笑)
I:
(笑)ちゃんとお弾きになれたんでしょうか?
山本講師:
ご想像通りで(笑)。その生徒さんもおっしゃっていましたよ。
「先生、やっぱり難しくて弾けないね!」って(笑)。
I:
(笑)でもなぜか温かさを感じるエピソードですね!
まじめな話、弾きたいシチュエーションをシミュレートしながら、ということになりますよね。
山本講師:
その方の中では、ある意味でもう夢は叶っていたんじゃないかとも思うんですよね。
I:
確かにそうですね。どんなものでもモチベーションの源泉って様々ですものね。
「ブランクが長い方・独学の方へ」
I:
実は先生にお伺いしたいことがありまして、例えば小さい頃など、ほんの少しだけピアノを習ったことはあるけど、その後全然触ってもいない、というような方々って多いと思うんですよね。
あと、似たような方々で独学で「遊び弾き」はするけれど…というような。
そんな方々へのメッセージなどございますでしょうか。
山本講師:
まず独学の方って「耳」で憶えていくことが多いと思うんです。
音楽ですから理にはかなっているんですよ。
あとは「譜面とリンク」させるだけです。こういうタイプの方はポピュラー系のピアノコースが良く向いていると感じますね。
I:
そうなんですね。
では、鍵盤自体をどのように弾くか、というような、タッチとかそう言った部分での面ではどうなんでしょうか。
山本講師:
独学でされてきた方の特徴なんですけれど、「力み」があるんですね。
この「力んで」しまうことをどのように解消するか、要はどう脱力してもらうか、ですよね。これが一番大変かつ重要な点だと考えています。
I:
そうなりますと、先生はどのようなアプローチでその「脱力」をご指導されるのでしょうか。
山本講師:
どうすればいいか、ということを理屈でもって丁寧にご説明します。
なぜこうなるのか、その原因や、どういうプロセスで最終的な「動き」に結実しているか、ということを説明することで理解してもらえるんです。
I:
やはり原因や経緯や結果を説明することで理解が早まるということですね。
山本講師:
特に大人の方はそうですね。「そこは感情を込めて弾いてっ!」って言われてもその感情をどうやって弾き方へ「込める」のかがわからないですよね。
I:
確かにそうですね。抽象的な文言だと、実際の動き方へどうインストールするのかが見えにくいですし、逆に混乱させてしまったりもしますよね。
山本講師:
そうですね。きちんとした理屈・メカニズムが理解できると結果につながります。
I:
それでは、小さい頃少しだけ習ったけど、その後ずっと弾いていない。
けどピアノをまたはじめたいけどできるのかな?と漠然と思っている層に向けてはいかがでしょうか。
山本講師:
これは講師になってから発見したことなのですけれど、そういう層の方々ってほぼ例外なく「指が憶えている」んですよ。
I:
そういうものなのですね。
山本講師:
そうなんですよ。すでに体験レッスンの段階でもう「経験者の手」をしています。
I:
無意識に身体が憶えているという。
山本講師:
はい。身体が憶えています。だから自信をもってまずは体験レッスンに来てください、とお伝えしたいですね。
「コージーパウエルとギターヒーロー」
I:
ではここから、先生の個人的な好みについておうかがいしていきたいと思います。
山本講師:
はい。
I:
まず、月並みですがお好きな音楽などは…(笑)
山本講師:
(笑)はい、結構幅広いですよ。中高生の時はドラムを叩いていて、コージーパウエルが大好きだったんですよ。
I:
めちゃくちゃ「HR/HM」ですね。すごく意外です。
山本講師:
地元山口に「ポップス川上」という楽器店があるんだけど、その地下駐車場ライブで、年配者とバンド組んで出演していましたね。
I:
これまた意外です。先生はジャズ系のイメージがあったんですが、いきなり“コージーパウエル”をかまされましたから(笑)
山本講師:
2バスドコドコ(笑)上京後にファンクバンドやっていたことがあるんですけど、そのリーダーがジャズやるって言ってジャズバンド作ってそれに混ぜてもらって。
そこではじめてジャズを聴き始めるんです。30歳頃でしたね。
I:
これまた意外ですね。
山本講師:
最初はマイルス聴けって言われたのに始まって。
実はジャズピアニストよりジャズギタリストの方を良く聴くんです。
パットメセニーやウェスモンゴメリー、カートローゼンウィンケル、ジェシバンルーラー…
I:
でもなぜギタリストの方を?
山本講師:
昔のギターヒーローが好きだったし、ギターがかっこいいとテンションが上がるんです。
I:
さすがコージーパウエルファンでいらっしゃるだけあって、解像度が高いですね。
ちなみにジャズで鍵盤系はどのようなものをお聴きになりますか?
山本講師:
ブラッドメルドー、オルガンのラリーゴールディングス、エスビョルンスベンソントリオなんかを聴きます。
I:
他のジャンルなどはいかがでしょうか?
山本講師:
今はエレクトリックミュージックに傾倒してます。KIASMOSがきっかけで。
I:
本当に幅広く聴いていらっしゃるんですね。
先生からエレクトリックミュージックのお話が出るというのも、これもまた新鮮です。
山本講師:
特に感染症が蔓延していた時期に、ミュージシャンたちもこう、外向きではなくて、内面的な部分がすごく充実していたと思うんです。
I:
確かにあの時期、外へ向かって、ではなく、家の中で何ができるか、とか配信機材がすごく売れたとかありますよね。
山本講師:
そんな時期にErased Tapesというインディーズレーベルがあるんですが、そこのエレクトリックミュージックを聴いて、また音楽制作をしようというモチベーションにつながったりしましたね。
I:
色々と勉強になります。ちなみに先生のオリジナル曲を聴くことってどこかでできたりするんですか?
山本講師:
オーディオストックという商用音楽のサイトに80曲くらいアップしていますので、そこから聴いていただけるかと思います。サブスク配信でも。
I:
80曲も!
山本講師:
はい。「torinodenske」というネームで上がっているものがそうです。
I:
その「torinodenske」ってとりのでんすけ、と読むんですか?
山本講師:
はい、そうですね。
「ニックネームと鶏」
I:
このネームの由来などありましたらお聞かせいただきたいです。
山本講師:
昔、アイドルのツアーで回っていた時に、現場で3名の「山本」が揃った事があって(笑)
で、自分の担当がシンセ、電気を扱うからデンスケ、というニックネームになりました。
I:
と、なりますと今度は「トリノ」の部分が気になるのですが…
山本講師:
これもまた逸話がありまして。大学時代に前世が見えるという方がいて、見てもらうと前世が「極楽鳥」だとのことで(笑)
I:
ご…極楽鳥…ですか。
山本講師:
そう(笑)そこからみんな面白がって呼んでくれたりして。
しかもその大学時代、赤毛のモヒカンで、しかも襟足が長い髪型でしたから(笑)
I:
(笑)…本日は色々と楽しいお話を聞かせていただきましてありがとうございました。
山本講師:
こちらこそありがとうございました。
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山本 泰照 (やまもと ひろあき) プロフィール:
TKB/Back in Time BQ Records Japan inc. BQR-2020
3rdアルバム『セルフ・リライアント・タクト』(BQR-2016)でも高評を得た、ジャズ、ロック、ラテン、ブルース、ポップスなどの音楽エッセンスを凝縮した独自路線を発展。
僕のバンドです。都内大型CDショップにて発売中。
スガナミミュージックサロン目黒
電話 03-5434-7441