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2015-10-12 update

トロンボーンが実音表記の理由‐コラム44

【トロンボーンが実音表記の理由】
同じ管楽器でも移調表記と実音表記が分かれているのはなぜ?

 


Photo by FaceMePLS

「移調楽器」という言葉を聞いたことはありますか?

移調楽器というのは楽譜に書いてある音と実際に出る音が違う楽器のことです。
管楽器に多いんですよ。

例えばトランペットは楽譜のドの音を吹くとB♭(シ♭)が出るんです。
ホルンはF(ファ)の音、サックスはE♭(ミ♭)やB♭が出たりします。

しかし同じ管楽器でも、トロンボーンやチューバは実音で書くんですよね。

不思議だと思いませんか?

トランペットとトロンボーン、
どちらもB♭が基本になっている管楽器なのに、
なぜトランペットは移調して書き、
トロンボーンは実音で書くのでしょうか?

今回はそんな移調楽譜の秘密に迫ります!

【どうして移調して書かれるの?】

そもそも、トランペットやホルンはなぜ移調して書かれるのでしょうか?

まず、管楽器はそれぞれ固有の調を持っています。
それぞれの管の自然な長さから生まれる音程が基調になっているのです。

その音程によりB♭管とかE♭管とか呼ばれたりしているのですね。

実はB♭の楽器でもいろいろな調の曲を演奏できるのは今でこその事なんです。
昔はB♭の楽器ではB♭の調しか演奏できなかったんですよ。

なので昔は同じトランペットやホルンでも、いろいろな調の楽器がありました。
そして曲の調に合わせて、いちいち楽器を持ち替えていたのです。

B♭管でもE♭管でも、実際に吹けるのは
B♭から始まるドレミやE♭から始まるドレミなど
「それぞれの調のドレミだけ」だったのです。

もし、作曲家が実音で書いていたらどうなったか。
演奏者はまず楽譜を全部読んでから、どの楽器にするか考えないといけません。
そして自分のアタマの中で移調するハメになるわけですね。これは大変です。

だったら最初から、想定している管用に移調した楽譜を書いてしまえばいい。
そして「この曲は○管で吹いてね」とすれば、吹き手もラクで事故も防げます。

こんな歴史があって、移調して書く伝統が続いているのですね。

【実音で書く管楽器もあるのはなぜ?】

さて、ここでギモンが浮かびます。
トロンボーンだって昔からあるのに、どうして実音で書くのでしょうか?

答えは、トロンボーンは誕生当初から半音階が吹けたからです。
つまり一つの楽器で全ての調が演奏できたから、ということですね。
持ち替える必要もなく、実音で書いても演奏できたので実音で書かれたというワケです。
作曲家としてはその方が楽ですからね。

チューバやユーフォニアムのような新しい楽器も同じですね。
トランペットと同じB♭管ですが最初から半音階が吹けたので実音表記です。

ということで、移調楽器にも長~い歴史があったんですね。

いかがでしたか?
スッキリしましたか?
慣れないと移調楽器はややこしいですよね。

しかしスゴイのはプロのミュージシャン。
E♭管の楽譜を見ながら、B♭管の楽器で初見で吹いてしまいます。
正直、「いったいアタマの中はどうなっているんだろう?」と思ってしまいます。

「慣れればできる」とは言いますが。。
いや~、訓練の力はすごいですね。

 

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